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雪だるまの恋

物語
03 /07 2009
気がついたら、目の前は白銀の世界だった。
そして目の前には、一人の少女が立っていた。

体は動かなかった。いや、動かす術を知らなかった。
当初、自分が何者であるかが判然としなかった。
が、目の前にいる少女の話を聞く内に、
自分が「雪だるま」という存在であることを知った。

少女は私が目覚めた後、どこかへ去っていったが、
次の日にはまた戻ってきて、私に話しかけてきた。

私はだんまりを決め込むしかないのだが、
少女は独り言なのか、それとも話しかけているのか、
とにかくいろいろな事を話す。
私は、それをただ聞いている。
それが何度となく繰り返された。
私は少女の話により、この世界の輪郭を少しずつ知っていった。

ある日、少女はこんな話をした。

「このあたりにいっぱいある木はねー、桜の木って言うんだよー。
 桜って言うのはねー、花が咲いたら周りがピンクになって、
 すごい綺麗なんだよー。春になったら一面が桜でいっぱいになるの」

雪だるまは少女の言う桜というものにたいそう関心を持った。
そして一度見てみたいと思った。
春、というものになれば、桜が見られるらしい。

その後も少女は一日に一度訪れて、この世界のいろいろな話をした。
虫の話、電車の話、目玉焼きの話、雲の話・・・

そのうち雪だるまは少女が訪れるたびに、不思議な感覚に襲われた。
やすらぎにも似た、人懐かしい感情。
雪だるまにはその感情が何であるかを知らなかった。
その感情は人間で言うと恋というものだった。

雪だるまは、その少女に恋をした。

続く
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