7月16日は駅弁記念日だよ!(2) - けった魂

7月16日は駅弁記念日だよ!(2)

兄貴は一昔前は渋谷の猛者たちに恐れられた存在だったが、
今は全くストリートファイトをしていない・・・
昼はコンビニでバイト、夜はバーテンをしているいわゆるフリーターだった・・・

けった「兄貴!兄貴はケンカで大人数に囲まれたらどうする?」
兄貴「なんだよ藪から棒に」
けった「いいから答えてくれよ!今後の参考にしたいんだ!」
兄貴「逃げるさ」
けった「逃げる!?そんな弱虫な・・・」
兄貴「アホ。自分が不利な時に逃げる事の何が弱虫なんだよ」
けった「でも・・・」
兄貴「ちっぽけなプライド以外守るもののねぇケンカなんて逃げた方がいい。
   いいか、ストリートファイトなんてほとんどつまんねぇ理由から起こってるんだ。
   相手とやり合って勝っても負けても何も得られない。お前がやってる事は救えねぇ事なんだ」
けった「でも俺からケンカを取ったら何も・・・何もないよ・・・」
兄貴「そう言ってお前がケンカを続けるなら、辿り着く先は・・・」
けった「・・・」
兄貴「誰かを殺すか、誰かに殺されるかだ」
けった「そんな大げさな!」
兄貴「本当の事さ。暴力はまた新たな暴力を招くんだ。そしてどんどんエスカレートしていく。
   歯止めが利かねぇんだ。俺は誰かに殺されるのも誰かを殺すのもイヤだった。
   だからケンカは止めた。お前ももう止めろよ。
   イヤだぜ、お前と刑務所で面会するのも・・・葬式で死に顔を見るのも・・・」
けった「兄貴・・・」

けった「分かったよ・・・俺はもうケンカしねぇ」
兄貴「そうか、それでいい」
けった「何もなくなっちまうけど・・・」
兄貴「そんな事はねぇさ」
けった「そうかな?」
兄貴「あぁ、お前はまだ若いんだ。熱中できることを見つけられるはずさ。もし何も見つけられないなら・・・」
けった「見つけられないなら?」
兄貴「俺の夢の手伝いをしてもらおうかな」
けった「兄貴の夢?」
兄貴「ああ。金がたまったら、おいおい話すさ」
けった「へー!約束だからな、兄貴!」
兄貴「ああ、約束だ」

そうして兄貴はバイトに出かけて行った・・・

その後俺は渋谷の街をぶらついていた。

けった「(へへっ!兄貴の夢か・・・兄貴と一緒に何かできるなら・・・楽しくなりそうだな)」

けった「!?」
まさお「よぅ、けった」
けった「まさお・・・なんだよ、何か用か?」
まさお「相変わらずムカつく顔してるなお前」
けった「お前もな。さっさと失せろ」
まさお「おいおい逃げるのか?腰抜け野郎」
けった「・・・!?もう一遍言ってみろ」
まさお「けったはケンカもできない腰抜け野郎だと・・・」

バキッ

まさお「ぐっ・・・」
けった「腰抜けは・・・てめぇだろ・・・」
まさお「やりやがったな・・・裏へ来い」

兄貴との約束を破り、またケンカしちまったのが全ての間違いの始まりだったんだ・・・

つづく