世界でたった一人のあなたへ(2)

世界でたった一人のあなたへ
02 /01 2013
とある町の夏祭り会場にて

ガイ子「あ、田中くーん!こっちこっち!」

田中「あ、ガイ子さん!ごめん、ちょっと遅れちゃって」

ガイ子「全然いいよ、気にしないで!」

田中「ガイ子さん、浴衣着てきたんだ」

ガイ子「うふっ!そうなの。どう?似合ってる?」

田中「(ガイコツにも浴衣ってカンジかな・・・)うん、似合ってるよ」

ガイ子「でしょー!これお気に入りなの」

田中「そうなんだ」

ガイ子「今日は私の誘いに乗ってくれてありがとう」

田中「いやいや、丁度ヒマだったから」

ガイ子「じゃあヒマじゃなかったら来なかった?」

田中「(うっ・・・どうなんだろう・・・喫茶店で会った時は結局ガイ子さんは
   どうしてガイコツになったのかは教えてくれなかった・・・
   「そんな事忘れちゃったー」って・・・どうして・・・
   どうして僕はガイ子さんの誘いに乗ったんだろう・・・
   どうして僕はここにいるんだろう・・・)」

ガイ子「田中くん?」

田中「あっ、い、いや、そんな事ないよ。時間が合えばいつでも来たよ」

ガイ子「ふふっ」
田中「どうしたの?」

ガイ子「時間が合えばってところが田中くんらしいかなって。
全部の予定キャンセルしてでも来たよ!とか言えばいいのに」

田中「そ、そうかな・・・」

ガイ子「ほら見て!あそこにヨーヨー釣りがあるよ!」

その後、僕とガイ子さんは出店を一通り巡った。
ガイ子さんは一つ一つの出店を丹念に見て回り、キャッキャッと騒いでいた・・・

祭り場近くの草っぱらにて

ガイ子「あー、楽しかった!金魚すくいも射的もやったし、
    イカ焼きもとうもろこしも食べたし!」

田中「そうだね」

ガイ子「田中くん、楽しめた?」

田中「うん、楽しめたよ」

ガイ子「私が隣にいたから?」

田中「それは・・・」

ガイ子「言葉に詰まるなんてヒドーイ!せっかくおめかしして来たのに!」

田中「(おめかしって言っても全然違いが分からないんだけど・・・)
   ご、ごめん。そういえばガイ子さん、外に出たのに全然騒がれなかったね」

ガイ子「そうなの。初めてガイコツになった頃は外出したらものすごく驚かれたんだけど、
    それもだんだん減っていって。最近ではこっちが話しかけないと気付かれないくらいなの」

田中「そうなんだ」

ガイ子「なんか存在が希薄になってる気がする」

田中「まぁ騒がれるよりはいいよ」

ガイ子「それはそうね」

田中「・・・」

ガイ子「ねぇ、田中くん」

田中「何?」

ガイ子「今、好きな子いる?」

田中「え・・・どうしたの急に?」

ガイ子「いるの?いないの??」

田中「・・・」

ガイ子「いるんだ」

田中「え・・・」

ガイ子「ふふっ!いるかいないかで答えに困るって事はいるってことだよ。
    ガイ子の目はごまかせないんだからね!」

田中「(僕は景子さんが好きだったんだけど、ガイ子さんになってからはどうなんだろう・・・
    声や性格は景子さんなんだろうけど・・・)」

ガイ子「それが私だったら良かったのに」

田中「え・・・」

ガイ子「でももうダメよね。ガイコツと人間じゃ葬式ぐらいしか似合わないもの」

田中「ガイ子さん・・・」

ガイ子「さて、そろそろ帰る?」

田中「そ、そうだね」

座っていた場所から立ち上がると、そこには・・・

?「あ、田中さんだ」

田中「おお、めぐみさん」

ガイ子「知り合い?」

田中「うん、同じ職場の中垣めぐみさん」

めぐみ「はじめまして。その格好はお化け屋敷?」

ガイ子「まぁそんなとこね。私は御徒町景子。
   みんなはガイ子って呼ぶから、ガイ子でいいわよ」

めぐみ「ガイ子さんかぁ、面白いあだ名だね」

田中「ん?なんか向こうが騒がしいな」

めぐみ「あ、なんかケンカしてるみたい」

ガイ子「いけない!早く止めさせないと!」

ケンカ場へ走り出すガイ子

田中「ちょ、ちょっとガイ子さん」

追いかける田中

ガイ子「こらー、そこー、ケンカはやめなさい!」

ケンカしてる人「うるせぇ!」

田中「あっガイ子さん!あぶない!」

ボコッ

ガイ子を守ろうとして殴られる田中-

1時間後 公園のベンチにて

田中「う、うーん」

めぐみ「ようやく気がついた」

田中「ここは?」

めぐみ「公園のベンチ」

めぐみに膝枕をしてもらい横になっていた田中

めぐみ「殴られて気を失ってたんだよ」

田中「そうか、イテッ!あれ?ガイ子さんは?」

ガイ子「ガイ子さん?ガイ子さんは帰ったよ」

田中「え?」

めぐみ「田中さんが殴られてからガイ子さんが大暴れして。
    みんな気味悪がってケンカもおしまいになったの」

田中「そうなんだ」

めぐみ「でもガイ子さんのジャイアントスイング、すっごい格好良かった!」

田中「えっと、オレはどのぐらい気を失ってたの?」

めぐみ「1時間ぐらいかな」

田中「その間ずっとこの体勢だったんだ・・・ありがとう」

めぐみ「ま、まぁ同僚のよしみだから!気にしないで」

田中「じゃあそろそろ家に帰るよ。めぐみさんも途中まで送ってく」

めぐみ「そうね。一緒に帰りましょう」

こうして田中は家路に着いた

田中の一人暮らしの家

田中「(今日は一発殴られたぐらいでダウンしちゃって・・・
   本当に情けない・・・強くなりたい)」

田中、腕立て伏せを手をグーにしてし始める

田中「(強くならなきゃ・・・強くならなきゃ・・・)」

ピンポーン

田中「(こんな夜中に誰だろう・・・)はい」

ガイ子「田中くん・・・」

田中「ガイ子さん!どうしてここに??」

ガイ子「今晩・・・泊めてくれない?」


つづく
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