イ・ビ・ツなトライアングル (25)

イ・ビ・ツなトライアングル(小説)
02 /06 2012
その日はあまり寝付けなかった。

目を覚ますと、もう昼前。約束の時間はすぐだ。

「会いたい。会いに来て」

ケータイを持つ手が震える。これ以外の文言が思いつかない。

12時。メールを送る。お願い、届いて、私の気持ち。

すると、すぐにタカユキ君から電話がかかってきた。

「もしもし」

「あ、山下さん。はぁ、どうしたの急に・・・はぁ、はぁ」

「・・・会いたいの」

「はぁ、今コウイチからも似たようなメールが来て、
走ってコウイチの所に向かってるんだけど・・・はぁ、後からでもいい?」

負けた。

いや、勝負はまだ付いてない。

「私も、私も行く!コウイチ君の住所教えて!」

「西町の5-24だけど・・・はぁ、一体なんなの?」

「私も合流するからゆっくり進んでて!じゃ!」

走り出せ、私。

ネットでだいたいの場所を調べた後、私は飛び出していた。

走って、走って、走って、走った。

着いた。ちょうどタカユキ君もいる。

「早かったね、山下さん」

私たちはアイツの呼び鈴を鳴らした。

すぐにアイツが出てきた。私の姿を確認すると目を丸くしている。

「お前も来たのか・・・ハハッ、この勝負はどうなるんだろうな。
先に会ったのはお前が最初だもんな、オレの負けか」

「勝負ってなんだよ。話があるから来たってのに」

「もう止めにしないか、タカユキ」

「止めにするって?」

「知らないふりをするのは止めると言うこと」

「全部知ってるだろ。おれ達のこじれた関係」

「・・・」

「ちょっとどういう事よ!タカユキ君は関係ないじゃない!」

「そうだとよかったんだがな。関係ないとは言えないんだ」

「むしろ首謀者はタカユキだ。こいつがおれに指示したんだ」

タカユキ君が・・・真犯人?

つづく
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けった

2017年はほどほどに