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No.2

けったグランプリセカンド
11 /06 2010
中井巧朗の軌跡  

六月某日 

アフロから呼び出される。又アシの仕事だ
編集が年下なのはもう慣れたが
今度は高校生作家だという遂に年下を先生と呼ばなければならなくなった  

駅でメガネの若者に声をかけられる
どうやら同じアシの仕事仲間になるらしい
初対面なのに何故わかったのだろうかとおもったが
くたびれたジーンズによれよれのシャツにリュックサックでは明らかに漫画関係者にみえたのだろう  

アフロが少し遅れてくる あいかわらず時間にルーズなやつだ
仕事場へ向かう途中アフロは下山君としか会話しない
確かに俺からは声をかけてないがコイツは担当引き継いで
以来世間話もした覚えもなくネームの催促もロクにしてこない
アシが必要な時だけこうして声をかけてきて単なる便利屋扱いされている気がする
下山君が気を使ったのか俺に声をかけてくれたがよりによって年齢を聞いてきた
答えを聞いて申し訳なさそうにしたがこっちはもう慣れっこだ

結局その後は会話に参加することなく仕事場に到着した
道中今度の新妻先生は変わってると聞いていたが
仕事場に入った途端床一面に敷き詰められた原稿には流石に固まった
アフロも原稿を拾い集めてしばらくすると先生を怒鳴りつけた
コイツでも生原稿の大切さは解るのかとおもったがどうも様子がおかしい

新連載のタイトルを勝手に変えたのかと思ったが
どうもアフロの編集部への電話を聞くに連載会議で決まった作品と
完全に別物を新連載として仕上げたらしい
なるほど確かにこの先生もかわってるが
このアフロ新人の初連載に打ち合わせも途中経過の様子見もしなかったのだろうか 
仕事しないヤツだとは思っていたがまさかここまでとは
しかも電話に夢中で原稿踏んだのにも気づいてない(まあ普通床に原稿置かないんだが)
なんでこんなのが編集やってんだ

結局その日はそのまま解散となった
流石に下山君も呆然としてまだ仕事始めてもいないのにもう辞めるとか言い出した
気持ちはわかるがあの先生と二人で過ごす空間は想像もつかないのでなんとかなだめて引き止める
というかこういうのもあのアフロの役割だろ  

クビか配置換えは当然だろうと思っていたアフロが何故か新妻先生の担当続行になった
勝手に変えた新連載もそのまま連載になるらしいどんだけいい加減なんだあの編集部

大音量でガンガン音楽をかけ続け床に原稿置くだけで
何の支持もしない新妻先生と会話が成立する筈もなく
必然的に不安がる下山君を必死で構っていたが段々
下山君の不安の念が段々と先生から自分にシフトしてきているのを感じた
この年まで彼女いない事まで話したのがまずかったのかそっち方面だと勘違いしたらしい
弁解しようとすればするほど疑念が強まったらしくある日突然彼は仕事場に来なくなってしまった
このヒゲがまずかったのだろうか

アシの仕事自体はこの上なく楽なのだが興味のない音楽を大音量で聞かされ続け
何の会話もないこの空間にとても耐えきれず
何度もアフロに新アシを頼んでいたがやっときてくれたのが
金髪にアクセサリーをチャラチャラさせたDQNだった
いまどき頭にタオルまいた不良なんていたのか  

見た目と裏腹に福田君は挨拶もきちんとできるし年上に敬語もつかえるしっかりした子だった
(年下の新妻先生にはタメ口だったが)
ただ敬語のまま言いたいことズケズケいってくるタイプだったので
結局いたたまれない空気なのは変わらなかった

七月某日  

アフロが先生より年下のアシを見つけてきた
15歳で漫画のアシなんて出来るのかと思ったが仕事はベタくらいだし
とにかくこの雰囲気を変えてくれるなら誰でもいい
仕事の説明してる時に福田君の話で赤マル掲載経験者と解る 
天才高校生に今度は15才の鬼才か・・
福田君は同期のライバルに会えた事で乗ってきたらしく
次々まくし立ててきたが言葉の端々でまた俺に嫌味を言い始め結局俺の悪口で終わった
(そしてその中でやっぱりあのアフロが便利屋アシ扱いしてたのがわかった)
又空気が悪くなったがとにかく真城君に仕事の説明の続きをしようとすると
また途中で福田君に説明をとられた
まさかコイツ俺が真城君狙ってると思ってんじゃないだろうな
やはりヒゲが悪いのか早く剃りたいが新妻先生高校生だしこの仕事場髭剃りないんだよな  

新妻先生が真城君に気づくと突然興奮しだした
先生扱いにも驚いたがこの人がペンもたずに他人と会話してる所初めて見た

二人の会話をよそに黙々と仕事していたが突然福田君が割って入った
本当に他人の会話に割り込むのが好きだな

しかしその後の三人には圧倒された
自分がアシ入った所の先生の打ち切り心配した事はもちろんあるが
先の展開や編成を読む何てことした事がなかった

若さというだけでは済まされない やる気も才能も・・・
俺は・俺は・・・

それはそれとしてあのアフロやっぱり仕事していない
よくクビにならないな

その後も落ち込む俺をよそに三人で盛り上がっていたが
最後に背景の話になりやっと会話に参加できたが結局福田君にトドメを刺されて終わった

真城君と飯にいく
今までロクな物食べてこなかったがココにきて領収書さえもらえば
食費の心配がなくなったので最近は遠慮なくデザートまで頼むようになった
そのことで先生は太っ腹だと真城君に話したら目線が下腹部に移ったが気づかないふりをする  

真城君と並んで寝るが下山君の例もあるのであっちのケがない事を遠回しに伝えなくては
女がほしいとアピールするが結局福田君への愚痴に一晩ついやしてしまった
逆に福田君に気があるとか思われてないだろうか

朝起きて仕事場に戻ると昨夜言っていた通りバックが入ってない 
やっとやりがいある仕事になってきた

福田君が原稿取りに来たアフロに突っかかったせいで又三人で盛り上がり始めた
確かに今までは会話のない空気に耐えられなかったんだが自分で仕事増やしといて
俺一人に押し付けないでほしい

やっと仕事に戻ってくれたが先生の上がり際また福田君がゴチャゴチャ言い出した
(他人の仕事増やすのも好きだな)
まあ手は動いていたんだが今度は真城君が突然辞めると言い出した
いったいこの子は何を考えているんだ

ベタホワイトトーンの単調作業のみの時はともかく
仕事に没頭できるようになった今無理に引き止める事もないので気持ちよく送り出してやる
ついでに福田君にも辞めてもらいたかったが連載とるまで居座るとか言いやがった

四月某日  

福田君たちに絵は褒められたがストーリーについて全く触れられないので
開き直ってネーム段階で完成原稿並みの描きこみで切りまくって編集に出す
もうアフロは信用ならないので班長クラスに見てもらったら
やっと相田さんにストキンの準キングを紹介してもらえた
金未来杯にエントリーしてもらえるらしい
やっと自分にも春が・・・

そして原作者の蒼樹紅先生に会った

春が・・・来た・・

六月某日  

金未来杯に正式にエントリーがきまり蒼樹さんと打ち合わせ中久しぶりに真城君に会う
新しいジャケットと時計も見せびらかしたかったので一緒にコーヒーに誘う
三日しか一緒に仕事してないけど蒼樹さんのまえでしっかり僕を立ててくれたいい子だ

そんな彼を初対面でバッサリ切って捨てた蒼樹さんは空気読めないけど素敵だ
金未来杯の他作品の話もしたが挑戦的な福田君の作品を
自分の好みだけで批判する蒼樹さんは視野が狭いけど綺麗だ
僕はシュールで全く面白いと思わなかったカラフジカルだけど
清楚で可憐な蒼樹さんがいうならアーティスティックなんだろう

カラフジカルの作者がミュージシャンのKOOGYだと分った
露骨な票集めに福田君が憤って編集部に乗り込むと言い出した
勢いで乗っちゃったけど不安なので同じ金未来杯エントリーという事に
かこつけて亜城木君にも声かけてもらう

編集に食って掛る福田君をフォローしていると真城君が内容で勝負とか言い出した
自分でよんどいてなんだが君何しに来たんだ

そして福田君までネーム見せ合うとか言い出したなんで抗議に来て
こんな展開になるのか当事者なのについていけない

それはともかく流石に殴り込みでは呼べなかったが話し合いなら蒼樹さんも呼べるかもしれない
最初の打ち合わせ以降ネームはFAXで送られてきてずっと会ってなかったからな  

その後新妻先生の所で色々あったがメガネの蒼樹さんに見とれてて内容は覚えていないけど
蒼樹さんの言う通りだというのは確かだ最後の新妻先生の言葉がどうにも引っかかる・・

九月某日

金未来杯結局先生の予言が当たる形になる
とにかく蒼樹さんと離れずにすむ僅差だったのは助かった

一月某日  

新年会で蒼樹さんが間界野君と組むと発表されたと聞いた
いてもたってもいられず本人に確認にいく
開けてくれとは言いませんといったら本当にロックを開けてくれない

会いたい・会いたい

絵か 絵さえ合えばまた彼女に会えるだろうか
初めて彼女の意見に逆らって公園で絵を描き続ける事にする

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けった

月曜日の夜、スカートを直した

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