イ・ビ・ツなトライアングル (12)

イ・ビ・ツなトライアングル(小説)
09 /03 2010
体育館倉庫の裏にたどり着いた時、そこにタカユキ君の姿はなかった。
その代わり、他の人物がいた。

西山コウイチだ。

「タカユキ君は?」私は尋ねた。当然の疑問だ。

「タカユキは来ないよ。オレがおつかいを頼んでるから」

コウイチ君はあっさりと答えた。

「ケータイは?アドレスはタカユキ君から聞いたの?」
そう聞くとコウイチ君は右手のポケットからタカユキ君のケータイを取り出し、
目の前でプランプランとさせた。

「ちょっと借りて覗かせてもらった。悪いとは思ったけど」

つまり私はハメられた、と言う事か。
それと同時に私はイヤな予感がしてきていた。

私はコウイチ君から本当に告白されるのではないだろうか。

そう考えるとコウイチ君の今までの行動がすんなり理解できる。

コウイチ君は私が好きなため私と一緒に居ようとした。
加えてタカユキ君と私が仲良くなるのを阻止し、
あわよくば二人が別れればよいと思った。
だが、その考えは上手く運ばず、遂には業を煮やして
私に告白をして無理矢理流れを変える行動に打って出た・・・

フッ、私って罪作りな女・・・などと冗談を飛ばしている場合ではない。

そうこう考えているうちに、

「伝えたい事があるんだけど」

とコウイチ君は言った。

予想した最悪の展開が来る。
私はコウイチ君にまた告られるのか。そうなるとどうなる?

一体どうやって断ればカドが立たないのか、
ああ2人の友情はどうなるのかこれは私が踏みにじる事になるのか?
まてここは一旦保留にしてまたカナエの助言を・・・-

「やめてくれないか」

コウイチ君は真面目な顔でこう言った。

やめるとは、何を?

「タカユキと付き合うのをやめてくれないかと言っている」



そ、それはどういう・・・

「迷惑だ。君とタカユキじゃ釣り合わない」

め、めいわく?つりあわない?

「そうだな、今ならまだ日も浅いし、君からフッてくれたんでいいよ。
 フォローはオレがするから」

はあ?

い、いや、勝手に話を・・・

「物分かりが悪いな、山下さん。ホントにこの高校受かったの?」

コウイチ君、いやコウイチは畳みかけてくる。

「タカユキに彼女はいらない。オレがいれば充分だ。
これ以上タカユキとオレの間に立ち入るなら実力行使に出るから。じゃあ」

そう言うと、コウイチはさっと踵を返して校舎へ戻っていった。

・・・

オーケィ、状況を整理してみようか。

私の予想はほとんど当たっていた。
コウイチが意図的に私達の邪魔をして割り込んでいた事。
二人が別れれば良いと思っていた事。
事が上手く運ばず業を煮やしていた事。

だが、決定的な点が外れていた。

コウイチが好きなのは、私ではなく、タカユキ君だった-



つづく
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