イ・ビ・ツなトライアングル (10)

イ・ビ・ツなトライアングル(小説)
08 /31 2010
次の日学校へ行くと教室が幾分か騒がしかった。何かあったのだろうか?

「まーたコウイチ様にチャレンジして撃沈した女子が一名誕生だって。
これで通算10人目。二桁達成、相変わらずの撃墜王と言う事ね」

カナエがそうこぼした。それでウワサが駆け巡ってると言う事なのだろうか。
それにしては少しおかしい。
コウイチ君に振られる女子が現れるのは日常茶飯事なはずで、
こんなに騒ぎになる事はないはずだ。

「それがね、断る理由が今までと違ったんだって。今までは、
 恋愛に興味がないから(キリッ、だったのが、気になる人がいるから(キリッ
 になったんだって。それでいま一体気になる人って誰なんだろうって情報が錯綜してる所」

そうだったのか。コウイチ君の気になる人とは一体誰だろうか。
そう考えた瞬間昨日の事が思い起こされてまた怒りがフツフツと沸いてきた。

「向こうのグループは4組の篠塚さんなんじゃないかって言ってたけど。
 ユミ、何かあてとかないの?いつも3人で帰ってるんでしょ?」

その質問を聞くやいなや私は堰を切ったように昨日の話をした。
告白された事、それが冗談だった事、小バカにされて何もできなかった事etc.etc・・・

「もうアッタマきちゃう!いくら冗談でも言っていい事と悪い事があると思わない?
 一瞬でも真面目に考えた私がバカみたいだよ!もう」

それをカナエは気難しそうな顔をして私の話を聞いていた。
これは何か考えている時の顔だ。

「それって・・・本当に冗談だったのかな?」
「え?」
「いや、ユミに断られると思って冗談に切り替えた・・・とか」
「・・・」
「ごめん、今の話は忘れて。私の考えすぎね」

そう言うとカナエは真面目なままの顔で、「その話は誰にもしない方が良いよ。
あと、コウイチ様と二人で帰るの禁止。ただでさえ誤解されやすいポジションにいるんだからさ。」

そうだ。気安く二人で帰ってしまった私にも責任がある・・・のかもしれない。

「これ以上女子連のマークが厳しくならないといいんだけど・・・」

カナエは独り言のようにこう呟いた後、「まぁ、気にしてもしょうがない。
タカユキ君とラブラブする事だけ考えときなよ。せっかく付き合ってるんだからさ、ユ・ミ」
と言った。


つづく
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けった

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