イ・ビ・ツなトライアングル (7)

イ・ビ・ツなトライアングル(小説)
08 /28 2010
「ちょっとメンドくさい事になってるみたいね」
カナエはめずらしく真面目な顔でこう言った。
「どうすればいいと思う?」
「うーん・・・いくつか方法はあると思うけど」
私は間髪入れずに教えて!と食い付いていた。

「まず一つ目。コウイチ様に遠慮してもらうように言う」
それは私も考えた。だが、タカユキ君の楽しそうな顔を思い出すとそれを言うのははばかられた。
それにどう切り出せばいいのか私には分からない。
加えてそれを言うのはひどくわがままに感じられた。
「でもユキじゃ言えないよね。まぁ分かってて言ったんだけど」
カナエは何でもお見通し、と言う事か。

「じゃあ二つ目。二人と一緒に帰るのを止める。」
そうすれば女子連に誤解されるのは防げる。
だが、ただでさえ少ないタカユキ君と一緒にいる時間がなくなってしまう。
それはイヤだ。タカユキ君と一緒にいたい。
「でもそれもイヤなんでしょ?」
私はクビをブンブンと縦に振った。

「それじゃあ第3の道しかないね」
カナエは静かにこう言った。私は第3の道って?と尋ねた。
「このまま堂々としている、って事」
「ユミは何も悪い事をしているんじゃないでしょ?
なら堂々としてればいいじゃない。人の噂も七十五日。
いつかこのバッシングめいた状況も落ち着くよ」
そうなのだ。私は何も悪い事はしていない。なら堂々としていればいい。
でもそれだとタカユキ君と二人で、という所は満たされない。
「そこが私じゃ解決できないのよね。ごめんねユミ、
結局役に立たないアドバイスしかできなくて。 
でも休日を利用したりすればいいんじゃない? 
デートしちゃいなよ、カップルなんだからさ」

休日にデート、か。そういえば話には出ているがまだ一度も休日にデートした事はない。
こちらから切り出すのは勇気が要るが、今度切り出してみようかな。
「それにしたってコウイチ様も気を利かせてくれたらいいのにねぇ?
なにも彼氏彼女の間に割り込んでこなくてもさぁ。
人気者の考えてる事は分からないねぇ」
カナエは肩肘を付いて手を頬に当てながらこう言った。

結局私達3人が一緒に帰る行為はしばらく続く事になった。
私としては不満も残るが仕方ない。今の状況を甘受することで妥協する事にした。
そんな中だった、あの事件が起こったのは。


つづく
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