イ・ビ・ツなトライアングル (6)

イ・ビ・ツなトライアングル(小説)
08 /27 2010
タカユキ君と付き合い始めて1ヶ月が経つ。時が経つのは早いものだ。
タカユキ君と一緒に帰ることはずっと続いていた。
が、少し前から一つ違った点があった。

コウイチ君が一緒に待ち合わせて3人で帰るようになっていたのだ。

3人で待ち合わせて私、タカユキ君、コウイチ君と並んで帰るようになっていた。
コウイチ君は「悪いね、二人の邪魔して。本当にイヤだったら言って。一人で帰るから」
と言った。
私は一人で帰ってくれと言えるほどそこまで鬼じゃない。
「とんでもない、二人は友達なんだから気にしないで下さい。私も気にしてないです。」
と応えた。

本心か、と言われたらそうではない。私はタカユキ君と二人で帰りたい。
二人でいられる時間はそう長くはないのだ。だから下校時間は貴重な時間なのだ。
コウイチ君が嫌いな訳ではない。
でも3人で帰るようになった状態には少しイラつかせられた。
一体コウイチ君は何を考えて割り込んできているのだろうか。

タカユキ君はというと、私の心を知って知らずかコウイチ君とも
私とも楽しそうに話をしながら一緒に帰っていた。
彼女と親友に囲まれて帰るのだからそりゃ楽しいかもしれない。
でも私はタカユキ君ってちょっと鈍い所があるのかなぁと漫然と思うようになった。
もちろんキライになんてなってないけど。
むしろ以前よりも自然体なタカユキ君の所作に魅せられて好きになっていた。

一方でカナエが危惧していた事が現実になろうとしていた。
コウイチ君と一緒に帰る事によって女子連の私を見る目は厳しくなっていた。
「コウイチ様と一緒に帰ってるあの女は誰?」
地味で通してきた私がこんなに目立つ事はかつてなかった。

過激な意見ではコウイチ君は私の事が好きだと言うのもあった。
もちろん過剰な思い込みの間違った話だ。だがウワサは加速する。
それが大きくセンセーショナルな間違いであればあるほどだ。

私の周囲には不穏な空気が流れはじめていた。


つづく
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けった

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