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イ・ビ・ツなトライアングル (1)

イ・ビ・ツなトライアングル(小説)
08 /17 2010
いつだって幸運は突然に訪れるものだ。

小学生の頃、給食にプリンが出た。
一人に一個配られるプリン。そして休んだ人の余ったプリン。
食べたい人は手を挙げてジャンケンをする。日本中のどこにでもある一コマ。
私も手を挙げたかったが、それはできなかった。
二個食べるというがめついと思われてしまう行為が挙手を躊躇わせた。
それに何より、あの男子の争いの中に入っていく勇気はなかった。

そんなとき、隣で給食を食べていたサユちゃんが、
「私、プリン嫌いなの。ユミちゃん、食べてくれない?」
と言ってきた。私は二つ返事で頷いた。
休んだ子のプリン争いが教室で繰り広げられる中、
私は悠々と二個のプリンを堪能した。

こんな事もあった。

中学生の頃、隣の県に来たルノアールの美術展。
どうしても直に観たかったルノアール。それがこの目で観られる。
でもルノアールが来ているのを気がついた時には次の日が最終日。
しかも私は次の日寝過ごしてしまって出かけるのが大幅に遅れてしまい、
閉じてしまった美術館で呆然と立ち尽くすより他に仕方がなかった。

でもそんな私を気の毒に思ったのか、
係の人が「少しだけなら見てもいいよ」と言ってくれた。
誰もいない美術館。観客は私だけ。
いつもなら大行列の絵画たちを、私は1人で堪能した。

なぜこんな事を思い出しているのかというと、
またしても幸福が突然に訪れたからだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――

「山下さん、僕と付き合ってくれませんか?」

高1の夏、私は突然前からずっと気になっていた田中君に告白された。
何の前触れもなく、いきなりの事だった。

返事はもちろんイエス!

だが、びっくりしたので一旦保留にして後日返事をした。
私は期せずして彼氏持ちのリア充ガールになってしまった。

いつだって幸運は突然に訪れる。

だがそういえばそうだった。
小学生の時プリンを食べた次の日、私はお腹を壊して学校を休んだ。
中学生の時私は遠出しているのをすっかり忘れ、気がついた頃には途中で
家に帰る電車がなくなった。駅で一晩過ごし、朝方家に帰った時には母親に
「女子にあるまじき行為」と散々叱られた。


そう、幸運にはいつも、不幸がついて回るのだ-

つづく
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けった

月曜日の夜、スカートを直した

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