エヴァンゲリオンとは何だったのか その1 ~3層構造のエヴァ~

エヴァ総括
11 /11 2009
自分の10代のほぼすべてであったエヴァを総括したいと思います。

まずは構造的な話から。
エヴァの登場人物は3層に分かれます。

第1層 ネルフ(ゲンドウ、冬月) vs ゼーレ
第2層 29歳の人達(ミサト、リツコ、加持)
第3層 14歳のチルドレン達(シンジ、アスカ、レイなど)


第1層はお互いの「人類補完計画」達成のために化かし合いを繰り広げています。
(ネルフの人類補完計画とゼーレの人類補完計画は方法が違いました。
作中のエヴァ世界ではゼーレの方法が不完全ながら選択され、
ゲンドウ達の方法は明らかにされませんでした)

そして第2層は第1層に命令される形で使徒を殲滅します。
つまり第2層にとっての使徒殲滅は仕事としての要素が非常に強いです。
上からは一応「サードインパクトが起こるので」と使徒を倒す意味を説明してもらっていますが、
どうして使徒とアダムが接触したらサードインパクトが起こるのか
など細かいことは教えてもらえません。
よって使徒殲滅が「上からの命令だから」というニュアンスが強まります。

そして第3層はなすがままにエヴァに乗るという一番危険な任務をさせられています。
各々、シンジ「前の場所に戻りたくない」 アスカ「存在理由」 レイ「絆」
と理由はありますが、すべてパーソナルな理由です。
彼らは使徒が何者であるのかなど外部世界にさほど興味がありません。
彼らは使徒を「倒す」ことで「自分が他者に認められる」ことに最も興味があります。
チルドレン達は14歳の子供らしく使徒を倒すという「大人から与えられた正義」を
果たすために実に「無邪気に」手に入れた力を行使します。

視点を変えます。

エヴァの舞台はサッカーのPK戦に非常によく似ていて、
使徒にアダムと接触されたらアウトと言うことになっているので、
使徒=ボール、アダム=ゴール、エヴァ=キーパーと考えられます。
そういった意味では戦闘というよりはゲームに近い気がします。
エヴァの世界の出来事はほぼすべて第3東京市という「箱庭」での出来事です。
結局、 

・使徒が襲ってくる(出所は不明)
・アダムは動かない

という制約を付けてしまったので、エヴァは自分から攻めていく方法を失いました。
なので作中世界のエヴァはネルフ本部をうろうろするより他に仕方がなく、
絵に情景での変化を付けるのが難しくなりました。
これはアニメとしてはよろしくないので、
庵野監督は非常に苦心して様々な方法の使徒を考えましたが、
それにも限界があった訳で、その苦心の果てに内面世界があったと思われます。

内面世界は何を書いても「内面である」という事で自由です。
これによりアニメとして表現できる幅が広がりました。
内面世界については違う項でもう少し詳しく述べたいと思います。

さきほど第3層が非常に幼稚であると述べましたが、
第2層も29歳にしては子供っぽい部分を多分に持っています。
父親の面影を引きずるミサト。母親の不倫相手と同じ事を繰り返すリツコ。
そして大学時代からのヨリを戻すミサトと加持。
どこぞのメロドラマを想起させて個人的には29歳のドラマは気分が悪いのですが、
彼らの視点は過去から一歩も出ようとしません。
彼らは自ら望んで過去を繰り返そうとしています。

それでは第1層が大人かと言うと全くそうではなく、
ゲンドウが人類補完計画を行ってしたかったことはユイに出会うことです(冬月も同様)
ゼーレも人類補完計画を行うのは自分たちの宗教的テーマのためです。

これはキャラ論で述べたいと思いますが、
エヴァンゲリオンのキャラクターはすべて何か過去を引きずって
未来へ前向きな視点を持とうとしていません。

「大人がどこにもいない世界」

これがエヴァの一つの結論です。

こんな感じで半月ぐらい続くと思います。(長っ!)
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