世界でたった一人のあなたへ

世界でたった一人のあなたへ
05 /28 2012
(この案はマンガをジャンプに持ち込もうという企画で考えていたヤツです。
どうしてもマンガにできる力がなくて断念しました。不定期に載せていこうかと思います。)

ある昼下がりのカフェ

田中「(今日は久しぶりに同級生の景子さんに会う日だ・・・
クラスのマドンナ的存在だった彼女が僕に会ってくれるなんてどういう風の吹き回しだろう・・・
いや、そんな事はどうでもいい!今日はいままで秘めていた思いを伝えるんだ・・・)」

ウィーン 自動ドアが開く

景子「あ、田中くーん」

田中「あ、景子さん・・・」

田中、驚く。そこには景子の姿はなく、全身ガイコツで服を着ているものが話しかけてきたのだった。

田中「(って、ガイコツじゃないかー!!!!!!)」

景子「ごめんね、遅れて」

田中「い、いや、別に・・・
(どうしよう・・・声は景子さんだし・・・
このガイコツが景子さんって事でいいんだろうか・・・)」


景子「一見しただけじゃ私って分からなかったでしょ?
もうあれからだいぶ時間も経ったし」

田中「そ、そうだね・・・(分かる訳ないよな・・・ガイコツだし)」

景子「どう?私、綺麗になった?」

田中「(どうしよう・・・ガイコツになったねなんて言ったら地雷かもしれないし・・・)
うーん・・・ちょっと痩せたかな?」

景子「田中君、嫌だなぁ!私高校の時に較べたら太ってるって!気遣ってくれてありがと。」

田中「(太ったって・・・全身骨になったようにしか見えないんだけど・・・)
そ、そっかぁ。うん、でもまぁ綺麗だよ景子さん」

景子「景子さんなんて堅苦しいわよ!ガイ子って呼んで」

田中「(え・・・自分でもガイコツって分かってるのかな・・・
ガイコツって言ってもいいんだろうか・・・分かんない・・・)じゃあ、ガイ子さん」

ガイ子「うふっ!そう、今日ちょっと違う香水使ってみたんだけど、どう?」

田中「(ホルマリンの臭いしかしないんだけど・・・浸かってたのかな・・・
でもそんな事言ったらダメだ!)うん、いい臭いがするよ」

ガイ子「ありがと。それにしても久しぶりだよね。田中君は全然変わらないね!」

田中「そうだねぇ・・・みんなにもよく変わらないって言われるよ。ガイ子さんは・・・変わった?」

ガイ子「私はねぇ・・・変わったねぇ。あの頃がなつかしいよ」

田中「(ガイコツになって変わってないなんて言われたらウソだよな・・・)そうだね、懐かしいね」

ガイ子「みんな元気にしてるかなぁ?」

田中「うーん、最近誰にも会ってないから分からないけど、みんな元気にしてるんじゃないかな?」

ガイ子「川崎君、元気にしてるかなぁ?」

田中「(川崎・・・クラスの中心的存在でオレとは対極にあったヤツ・・・
ガイ子さんとも付き合ってるんじゃないかと噂が絶えなかったヤツだ・・・)」

ガイ子「変わっちゃったのかなぁ?」

田中「ガイ子さん、昔の事を聞くようでなんだけど・・・」

ガイ子「何?」

田中「その・・・川崎とは付き合ってたの?」

ガイ子「え?なんで急に?」

田中「いや・・・なんとなく気になって」

ガイ子「川崎君とは付き合ってたよ。でも今から考えると遊びみたいなものだったのかなって」

田中「え・・・」

ガイ子「あの頃の付き合いって今からしたら遊びのようなものじゃない?
幼稚園のお遊戯会が高校生の時に遊びに感じるように、
今からしたら高校の出来事もお遊びに感じるってこと。それぐらいにはもう大人になったのかな」

田中「(そうだったのか・・・高校の時に死ぬほど羨んだ関係が遊びか・・・)」

田中「(なんだろうこの湧き上がってくる複雑な感情は・・・
目の前のガイコツが憧れの存在だったなんて皮肉だよな・・・)」

ガイ子「田中君は・・・まだ続けてる?」

田中「え?何を?」

ガイ子「柔道」

田中「ああ・・・もう辞めちゃったよ」

ガイ子「なんで?」

田中「全然強くならないし・・・弱かったなぁホントに」

ガイ子「私、一度だけ田中君の柔道の試合を観に行ったことがあるの」

田中「え!わざわざ・・・」

ガイ子「すぐ負けちゃったけどね。でも田中君の柔道着姿、カッコ良かった」

田中「ハハ・・・ありがとう」

ガイ子「あ、私ちょっとお手洗いに行ってくるね」

田中「うん」

田中「(ガイコツでもトイレに行きたくなるんだな・・・
いや、そんな事はどうでもいいとして、今日こそは景子さん・・・
いや、ガイ子さんに告白しようと思ってたんだけど、そんな状況じゃなくなってきてるよな・・・
ガイコツが彼女って言うのも変だし・・・)」

ガイ子「ただいま」

田中「あ、うん」

ガイ子「・・・ありがとう」

田中「?何が?」

ガイ子「私に何も言わないでくれて」

田中「何を?」

ガイ子「私、知ってるんだ。・・・自分がガイコツになっちゃったって」

田中「!?」

ガイ子「ガイコツになった私にここまで黙って付き合ってくれた人は初めて」

田中「それは・・・」

ガイ子「みんな一見しただけで逃げ出すの」

田中「・・・」

ガイ子「田中君は優しいよね、ううん、それは分かってた・・・もっと早く気づければ良かったのに」

田中「・・・ガイ子さんは、どうしてそんな姿になっちゃったの?」

ガイ子「それはね・・・」

一面見開きで、おわり

(読み切りの形なので、ここで終わりです。ですが、物語はまだ続きます。ので、つづく)
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