ストリートファイト - けった魂

7月16日は駅弁記念日だよ(3)終

裏渋谷にて

けった「!?」
まさおの仲間たち「よぅ、けった」
けった「まさお、お前仲間を呼んでたのかよ・・・汚ねぇぞ」
まさお「ハッ!ケンカに汚いも綺麗もあるかよ。おいお前ら、やっちまえ!」

10分後

けった「・・・」
まさお「ようやくおとなしくなったか・・・手こずらせやがって」
まさお「よし、けったを縛ってケータイを取り上げろ」
けった「・・・何をする気だ・・・」
まさお「今日はお前に用があったんじゃねぇ、最近お前と仲良くしてる奴に用がある」
けった「!?まさか兄貴か・・・」
まさお「そう、あの野郎に用がある」
けった「・・・兄貴は関係ないだろ・・・」
まさお「それがあるのよ。あいつには散々やられてきたのに、近頃は逃げてばかりいやがる。
    ムカつくから今回何倍にもして返してやるのよ」
まさお「お前は人質だ。今からお前のケータイを使ってあいつを呼び出す」

30分後、兄貴は普段と変わらない様子で現れた・・・

兄貴「けった!無事か?」
けった「兄貴すまねぇ・・・逃げてくれ」
まさお「おい、逃げたらけったをさらに痛めつけるぞ。動くな。」
兄貴「わかった」
まさお「おいお前ら、や・・・」
兄貴「と思ったか?」

シュッ 

まさお「・・・(バタッ)」

けった「(・・・兄貴が一瞬でまさおを倒した!
兄貴の動きが速すぎて見えなかった・・・)」

兄貴「おいお前ら、まさおはやっちまったが、まだやるかい?」

まさおの仲間たち「ひいっ・・・」

ダダダッ

兄貴「行っちまったか。薄情な奴らだぜ」
兄貴「けった、また派手にやられちまったな。縄をほどいてやるよ」
けった「すまねぇ、兄貴・・・またケンカしちまった・・・」
兄貴「気にするな。すぐに止められるなんて思ってない。何度も反省して止めるようになればいい」
けった「兄貴・・・」
兄貴「そういえばケンカで多人数に囲まれた時の対処法なんだが、きちんと答えてなかったな。
   多人数に囲まれた時は、最初に一番強い奴を倒せ。そうすれば他の連中は雲散霧消する」
けった「なるほど・・・あ!兄貴ッ!後ろ!!」

グサッ

兄貴「ぐっ・・・」

けった「(兄貴が背中をまさおに刺された!)」

タタッ

まさおは逃げていった・・・

けった「兄貴!兄貴・・・!」
兄貴「・・・落ち着けけった・・・まず止血だ」
兄貴「・・・お前のTシャツで刺されたところを押さえてくれ」
けった「兄貴!死なないで!」
兄貴「そのあとは救急車だ・・・大丈夫、傷はそんなに深くない・・・」

兄貴は俺が呼んだ救急車で運ばれ、一命を取り留めた・・・

病室にて

けった「本当にすまねぇ兄貴・・・俺のケンカで・・・」
兄貴「いや、俺が恨みを買ってたのが原因だ。因果応報ってヤツだよ」
けった「でも・・・」
兄貴「けったが悪い訳じゃない。もっと言うならまさおが悪い訳でもない」
けった「まさおも悪くない!?」
兄貴「これがケンカの本質って事だ。皆さらなる暴力に飲み込まれていく」
けった「兄貴・・・」
兄貴「お前には目標が必要だな」
けった「目標?」
兄貴「ああ。前に俺の夢を手伝ってもらうって言ったろ?」
けった「ああ、あの約束か・・・」
兄貴「俺はブラジルに行って起業する」
けった「ブラジル!?」
兄貴「ああ。これからの時代はBRICsだ。ブラジルには日系人も多いしな」
けった「ブラジル・・・」
兄貴「付いてこいよ。準備は整った。退院したらすぐに日本を発つ」
けった「分かったよ・・・俺、兄貴に付いていく」
兄貴「フフッ、後悔はさせないようにするよ」

こうして兄貴と共にブラジルへ行き、スシバーを経営するのはまた別の話・・・

~回想終わり~

ええっと・・・うん、回想は終わったんだけど・・・
何が同じなんだったっけ・・・?

ああ、そうだ・・・つまり、みんな離れてるように見えても・・・

心は繋がっている・・・自由って事・・・

みんな仲間って事・・・


みんな→ナカマ☆

いつものメンバーが集まったら
大乱闘スマッシュブラザーズでもしようよ
ドベの奴のおごりで
宅配ピザでも食べよう
みんな→ナカマ☆
恥ずかしくて言わないけど
いつもそう思っているよ

顔なじみの面子を前にして
いつも違う雰囲気なのはなぜだろう?
いくら話をしても
尽きる事のないテーマ
みんな→ナカマ☆
誰かのつぶやきに
心揺らされたりしないで

世界は広い 世間は狭い
一人でも欠けたら
なんか満たされないやいやい

みんな→ナカマ☆
みんな→ナカマ☆
みんな→ナカマ☆

ラララララ・・・

7月16日は駅弁記念日だよ!(2)

兄貴は一昔前は渋谷の猛者たちに恐れられた存在だったが、
今は全くストリートファイトをしていない・・・
昼はコンビニでバイト、夜はバーテンをしているいわゆるフリーターだった・・・

けった「兄貴!兄貴はケンカで大人数に囲まれたらどうする?」
兄貴「なんだよ藪から棒に」
けった「いいから答えてくれよ!今後の参考にしたいんだ!」
兄貴「逃げるさ」
けった「逃げる!?そんな弱虫な・・・」
兄貴「アホ。自分が不利な時に逃げる事の何が弱虫なんだよ」
けった「でも・・・」
兄貴「ちっぽけなプライド以外守るもののねぇケンカなんて逃げた方がいい。
   いいか、ストリートファイトなんてほとんどつまんねぇ理由から起こってるんだ。
   相手とやり合って勝っても負けても何も得られない。お前がやってる事は救えねぇ事なんだ」
けった「でも俺からケンカを取ったら何も・・・何もないよ・・・」
兄貴「そう言ってお前がケンカを続けるなら、辿り着く先は・・・」
けった「・・・」
兄貴「誰かを殺すか、誰かに殺されるかだ」
けった「そんな大げさな!」
兄貴「本当の事さ。暴力はまた新たな暴力を招くんだ。そしてどんどんエスカレートしていく。
   歯止めが利かねぇんだ。俺は誰かに殺されるのも誰かを殺すのもイヤだった。
   だからケンカは止めた。お前ももう止めろよ。
   イヤだぜ、お前と刑務所で面会するのも・・・葬式で死に顔を見るのも・・・」
けった「兄貴・・・」

けった「分かったよ・・・俺はもうケンカしねぇ」
兄貴「そうか、それでいい」
けった「何もなくなっちまうけど・・・」
兄貴「そんな事はねぇさ」
けった「そうかな?」
兄貴「あぁ、お前はまだ若いんだ。熱中できることを見つけられるはずさ。もし何も見つけられないなら・・・」
けった「見つけられないなら?」
兄貴「俺の夢の手伝いをしてもらおうかな」
けった「兄貴の夢?」
兄貴「ああ。金がたまったら、おいおい話すさ」
けった「へー!約束だからな、兄貴!」
兄貴「ああ、約束だ」

そうして兄貴はバイトに出かけて行った・・・

その後俺は渋谷の街をぶらついていた。

けった「(へへっ!兄貴の夢か・・・兄貴と一緒に何かできるなら・・・楽しくなりそうだな)」

けった「!?」
まさお「よぅ、けった」
けった「まさお・・・なんだよ、何か用か?」
まさお「相変わらずムカつく顔してるなお前」
けった「お前もな。さっさと失せろ」
まさお「おいおい逃げるのか?腰抜け野郎」
けった「・・・!?もう一遍言ってみろ」
まさお「けったはケンカもできない腰抜け野郎だと・・・」

バキッ

まさお「ぐっ・・・」
けった「腰抜けは・・・てめぇだろ・・・」
まさお「やりやがったな・・・裏へ来い」

兄貴との約束を破り、またケンカしちまったのが全ての間違いの始まりだったんだ・・・

つづく

7月16日は駅弁記念日だよ!

今日は駅弁記念日だよ!
駅弁を食べてお祝いしよう!みんな~

シーン

あ、あれ?みんな・・・?

シーン

ああ・・・同じだ・・・これはあの時と同じだ・・・

俺が渋谷でストリートファイトに明け暮れていた時と・・・

~回想~

バキッ ドカッ

けった「ぐっ・・・」

バキッ ドカッ

けった「・・・」

???「警察が来たぞ!」

ケンカ相手達「おい、ズラかるぞ!」

タッタッタッ

???「お前、立てるか?」

けった「・・・ああ」

???「肩を貸してやるよ、手当てをしなきゃな」

けった「すまねぇ・・・」

けった「なぜ・・・俺を助ける?」

???「なぜ?・・・そうだなぁ、強いて言えば」

???「お前は昔の俺に似ているから・・・」

俺がその人を兄貴と呼び、慕うようになるまでにはさして時間はかからなかった・・・

つづく